G7 2021 公式パンフレット (108ページ掲載)
次世代が想い描く、美しい国・ミャンマー
21世紀は、希望の世紀であるのだろうか。“最後のフロンティア”と呼ばれるミャンマー国民の一人として考えた時、その問いにはYesと答えるだろう。G7という世界の最前列に並ぶ国々は、第二次世界大戦から現在に至るまでに大きな発展を遂げた。
私は、エネルギー、銀行、鉱山開発などの複数の事業に携わっている。それら事業を通じて、この国の豊かな未来に貢献できると信じている。
私には子供の頃からの夢がある。今やそれは、夢ではなく目標と言うべきだろう。それは「美しい国づくり」だ。ミャンマーは多彩な自然に恵まれている。壮大な山岳、豊穣な海、滔々と流れる河、そして青空の下に5000万人を超える人々が暮らしている。豊かな自然に囲まれた、笑みをたたえた人々に囲まれて育った。もちろん、いまだに貧しさに苦しむ人々がいることも忘れていない。わたしは、そうしたすべての人々がミャンマーの個性を生かした豊かな社会を実感できるようにしたい。
ミャンマーには美しい自然の景観に満ちている。国民の大多数は勤勉だ。そして心根が優しい。それらは私たちが自慢する美しさだ。国土と精神、その二つの美しさを保ちながら、世界に認められる国になることがミャンマーの未来の姿だ。とても困難だが壮大な事業だ。
ミャンマーは今、経済を大きく飛躍させるチャンスの時を迎えている。世界の産業構造の国際化は加速している。同時にミャンマーの開発は進み、事業投資も盛んになっている。大きな理由の一つがミャンマー国民という良質な労働力だろう。国際分業に良い影響を与える人材の宝庫だ。また、豊富な天然資源も大きな資産として注目されている。
今や世界はエシカルな時代へ突入した。旧来の価値観では、国家の未来を設計するのは難しい。環境保全と開発を両立させること、世界基準の対価、平等で安全・安心な労働環境を築くことが不可欠になろうとしている。そうした環境は与えられるだけではいけない。私たちの各人が自覚をもつ必要がある。労働に対する責任感が大切になる。国際社会がSustainableDevelopmentGoalsを推進巣のであれば、ミャンマーも歩調を合わせなければならない。
社会基盤を整備、教育の機会均等、医療・福祉の向上など、取り組む課題が山積している。私たちの事業活動を通じてそれらを解決していく。その実現への道は険しいだろう。私たちは躓いても、すぐに立ち上がる。決して愚痴をこぼす事なく、決して言い訳をする事なく。Nevercomplainandneverexplain.
わたしは文頭で「美しい国づくり」が目標と述べた。今は端緒についたばかりだ。しかし、その思いは強くなるばかりだ。私には夢を語る友がいる。私に協力してくれる仲間がいる。海外から事業に対するオファーも増加している。ミャンマーの未来は明るいと信じている。